2009.09.23 Wednesday
歯科保健研究会の活動内容
活動内容
1、予防活動について 虫歯予防、歯槽膿漏予防・治療としてのブラッシングの研究・啓発に努めてきました。最近は「介護予防」に代表される「口腔機能向上」「口腔ケアー」に研究・活動領域を拡大してきています。 2、フッ素の予防への利用に対する批判活動 宝塚市における斑状歯被害者との係わりから予防活動・公衆衛生領域での薬物使用に対する批判的立場から、フッ素によらない虫歯予防への取り組み、実践活動などに取り組んできました。然し、研究会の統一見解の枠は、「フッ素に寄らない虫歯予防活動の推進」で一致できる範囲で、多様な、自発的な予防活動の推進を目指しています。 3、」産業歯科について 「労災職業病の予防・治療・リハビリ」「働く人たちの命と健康を守る」という観点より、「歯牙酸蝕症」健診、健康管理に全国的にも先駆的に取り組みを始めました。日本歯科医師会の産業歯科保健の講師に招かれる実績も有しています。事業所における成人歯科保健活動の推進拡大にも取り組んできました。 4、保健・医療から排除される層への支援活動 障害者、子供、高齢者、感染症陽性者、在日外国人など歯科保健・医療から疎遠となり、排除されがちな対象への歯科保健・医療活動に取り組んできました。各診療現場で、基本的に受け入れる診療を作り、積極的な保健活動にも取り組んできました。今は当たり前となっていますが「子供が泣いても治療する」「在宅への往診や保健活動」など、また「薬害エイズ問題」「裁判」への関わりからもHIV陽性者への歯科治療、口腔ケアーへとかかわりを始めようとしています。 5、野宿生活者への歯科健康支援活動 いわゆるホームレス問題では、大阪を中心とする地域性から、釜ケ崎(あ いりん地区)での越年活動での医療班活動への参加、病院訪問、などのボランティアの支援活動にかかわってきました。歯科医療関係者としてのかかわりは、2004年から行なわれた特掃登録労働者への調査活動で、2年目から大阪社会医療センターでの入院患者での口腔健診と調査活動を担ってからです。以来、野宿生活者支援統一行動で歯科相談を担当し、府下での巡回相談事業への参加、国境なき医師団との連携、アルミ缶回収場所での医療相談活動、京都など関西一円での相談活動などを実施してきました。その上で、釜ケ崎でNPO釜ケ崎支援機構健康班活動の健康相談に、毎週木曜日に歯科相談を担当してきています。全国的にも、東京、名古屋、福岡などの支援活動を行なう歯科関連団体と交流しています。 野宿生活者・ホームレス生活者の口腔内の状態はきわめて劣悪な状態に置かれています。すぐに命にかかわることがないということで対策は放置されていますが、まともな食事が取りにくく、歯がない状態では就労に努力しようにも困難さが生じています。健康保険もない中で福祉的な対応で、唯一医療に繋がる生活保護の医療扶助単給も、行政的な運用は医科と異なり極めて難しい現状です。私たちの取り組みが、少しでも契機となり、多くの歯科医療関係者が更に集まり、医療と連携し、野宿生活者の就労・生活支援から、野宿から脱却できる契機になればよいと考えています。 |